はじめに|「世界一周=高そう」という先入観から始まった
新婚旅行で世界一周を選んだ、という話をすると、
多くの場合、最初に返ってくる反応はこうです。
「世界一周って、かなり高いんじゃない?」
正直、私自身も最初はそう思っていました。
世界一周という言葉には、どこか特別な響きがあります。
長期間、複数の国を回る。
時間もお金も余裕がある人向け、という印象を持っていました。
ただ、第1回の記事で書いたように、
実際に新婚旅行を検討する中で、
「本当に高いのかどうかは、ちゃんと比べてみないと分からない」
と感じるようになりました。
そこで今回の記事では、
世界一周航空券と、普通に航空券を予約した場合とで、価格感がどれくらい違うのか
を、整理してみます。
世界一周航空券を知らない人にも分かるように、
できるだけ前提条件をそろえながら考えていきます。
第1章|世界一周航空券とは何か
まず前提として、世界一周航空券について簡単に整理します。
世界一周航空券は、
航空会社のアライアンス(例:oneworld)ごとに設定された特別な運賃で、
一定のルールのもと、複数都市を回ることができます。
主な特徴は次のとおりです。
- 基本的に一方向で地球を一周する
- 大陸数や総移動距離に制限がある
- 途中で複数都市に立ち寄れる
- エコノミー/ビジネスクラスなど、クラスを選べる
重要なのは、
「どこでも自由に行ける魔法のチケット」ではない
という点です。
あくまで、決められた枠の中で使う商品です。
その分、条件が合えば、
複数都市をまとめて移動する場合に検討価値が出てきます。
第2章|普通に予約した場合、どれくらいの価格になりそうか
まずは、世界一周航空券を使わず、
すべて通常の航空券として予約した場合を考えてみます。
今回の新婚旅行で検討していた主な行き先は、
- ロンドン
- バルセロナ
- ドーハ
- ボストン
- ニューヨーク
です。
仮にこれを通常の航空券で手配すると、
ルートは次のようになります。
- 日本 → ロンドン(片道)
- ロンドン → バルセロナ(片道)
- バルセロナ → ドーハ(片道)
- ドーハ → ボストン(片道)
- ボストン → ニューヨーク(片道)
- ニューヨーク → 日本(片道)

ここで重要なのは、
「最安値だけを拾えば安くなる」という話ではない点です。
新婚旅行という前提では、
- 極端な乗り継ぎは避けたい
- 移動日で体力を削りたくない
- 到着後すぐに動ける状態を保ちたい
といった条件も考慮する必要があります。
そのため、今回私たちは、以下の条件で検討を行いました。
- 移動の疲れを軽減するため、航空券のクラスはビジネスクラス
- 乗り継ぎ回数は極端に増やさない
- 到着時間帯が極端に悪くならない
- 長いお休みが取りやすい年末年始の日程
この条件での価格目安は以下のとおりです。
| 区間 | 目安価格 (ビジネスクラス) | 航空会社 |
|---|---|---|
| 日本→ロンドン | 約60−80万円 | 日本航空、アメリカン航空 |
| ロンドン→バルセロナ | 約10〜20万円 | ブリティッシュ・エアウェイズ |
| バルセロナ→ドーハ | 約60万円 | カタール航空 |
| ドーハ → ボストン | 約60万円 | カタール航空 |
| ボストン → ニューヨーク | 約5万円 | アメリカン航空 |
| ニューヨーク→日本 | 約50〜90万円 | 日本航空、アメリカン航空 |
| 合計 | 約250〜320万円 |
※航空会社・時期・空席状況により変動します
第3章|世界一周航空券だと価格はいくらになるのか?
それでは続いて、世界一周航空券だといくら位なのでしょうか?
なんと、、、航空券代は787,600円!!!
(アジア、ヨーロッパ、北米の3大陸の場合)
これに燃油サーチャージが100,000円程度追加でかかりますが、
合わせても僅かに900,000円ほどで、上で検討した旅程と比較すると半分以下、場合によっては3分の一以下圧倒的に安上がりです。
しかもこの価格はシーズンにかかわらず一定です。
結論として、ビジネスクラス前提だと、世界一周航空券は圧倒的にリーズナブルという結果になります。
ビジネスクラス、3大陸以外の価格については↓をご参考ください。
第4章|普通に予約するのと世界一周航空券で違いはあるのか?
これだけ価格が違うと「安い分、サービスが制限されるのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、結論から言えば受けられるサービスは通常の航空券と全く同じです。
- 地上での優待: ビジネスクラスなので、専用カウンターでの優先チェックインや、預け手荷物量のアップグレード、優先受け取りが可能です。
- 豪華なラウンジ利用: 出発前には、JALのサクララウンジをはじめとしたアライアンス各社の豪華なラウンジで、食事や飲み物を楽しみながら優雅に過ごせます。
- 機内の快適性: 使用される機材や機内食、CAさんによるサービスも、通常予約のビジネスクラスと何ら変わりません。
- マイルとポイント: これも重要なポイントですが、JALのマイルやFLY ON ポイント(FOP)、ライフステータスポイント(LSP)もしっかり貯まります。
| 区間 | マイル | フライオンポイント | ライフステータス ポイント |
|---|---|---|---|
| 日本→ロンドン | 10,108 | 8,175 | 30 |
| ロンドン→バルセロナ | 896 | 896 | |
| バルセロナ→ドーハ | 3,788 | 3,788 | |
| ドーハ → ボストン | 8,133 | 8,133 | |
| ボストン → ニューヨーク | 233 | 233 | |
| ニューヨーク→日本 | 10,951 | 8,824 | 30 |
| 合計 | 34,109 | 30,049 | 60 |
「格安チケットだから肩身が狭い」なんてことは一切ありません。むしろ、定額でこれだけのフルサービスを受けられることこそが、世界一周航空券の最大の醍醐味と言えます。
第5章|世界一周航空券の注意点
夢のようなチケットですが、利用するにはいくつかの「絶対に守らなければならないルール」が存在します。
- 「太平洋」と「大西洋」をそれぞれ1回ずつ渡ること 世界一周航空券として成立させるためには、必ず太平洋と大西洋の両方を渡って、日本(出発地)に戻ってくる必要があります。例えば「ヨーロッパへ行って、そのまま同じルートで帰ってくる」といった旅程には利用できません。
- ルートの逆走不可 一度大西洋を渡ってアメリカに入ったら、再びヨーロッパに戻るような「逆走」はできません。常に東回り、または西回りの一方向へ進み続ける必要があります。
- 発券後のルート変更 日付の変更は無料なことが多いですが、訪れる都市自体を変更する場合は、手数料がかかったり運賃の再計算が必要になったりします。
- 予約の難易度 全区間の予約を確定させてから出発するため、特に人気の路線のビジネスクラスは早めに枠を確保しておく必要があります。
第6章|今回の新婚旅行で、私たちが重視した判断基準
最終的に、私たちが「これで行こう!」と決めた理由は以下の3点です。
- ビジネスクラスという「贅沢」を現実的に叶えるため 新婚旅行だからこそ贅沢をしたい。でも、一人200万円は現実的ではない。世界一周航空券は、そのギャップを埋める唯一の手段でした。
- 繁忙期(年末年始)の影響を最小限にするため 休みが固定される社会人にとって、シーズンに関係なく価格が固定されているのは、個別予約にはない最大のメリットでした。
- 「ついでに別の国へ」を叶えるため 直行便を個別で買うと高額ですが、世界一周航空券ならルール内で立ち寄り都市を増やせます。ロンドンだけでなくバルセロナや中東まで旅程に加えられたのは、このチケットのおかげです。
おわりに|世界一周航空券が「向いている人・向いていない人」
ここまで比較して見えてきた、それぞれのタイプをまとめます。
▼向いていない人
- 1都市だけに絞って、じっくりと滞在を楽しみたい人
- LCC(格安航空)やエコノミークラスを乗り継いで、とにかく安さを追求したい人
- 旅の途中で、自由に行き先をコロコロ変えたい人
▼向いている人
- 長期休暇(10日以上〜)が取れる人
- 2〜3ヶ国以上の都市を効率よく回りたい人
- 「新婚旅行くらいはビジネスクラスで快適に」と考えている人
世界一周航空券は、決して手の届かない夢のチケットではありません。むしろ、「せっかくの休み、少し欲張って贅沢に旅したい」という共働きの夫婦にとって、最も賢い選択肢の一つになり得ます。
もしあなたが「2ヶ国以上回りたい」と考えているなら、ぜひ一度シミュレーションしてみてください。そこには、想像していたよりもずっと身近な「世界一周」が待っているはずです。

